今回、一筆箋に使用した粘土板文書は実務の記録に使われたものですが、遠方の相手に情報を伝える「書簡(今でいう手紙のようなもの)」として使われた粘土板文書も多く残されています。
粘土板文書一筆箋にデザインされている[a-na]はアッカド語で「~様へ」を意味する楔形文字で、文頭に記されることが多かったようです。
文字を記すには植物(葦)の先を削って、角を粘土に押し当てます。角を押し当ててできる形が二等辺三角形のような形をしていて、これが楔に見えるため「楔形文字」と呼ばれています。また、粘土を手で持って記していたため、手のひらサイズの粘土板文書が多く見つかっています。粘土板文書一筆箋も手のひらに収まるサイズに仕上げています。